再読、今日のみそひと歌 水
集歌49 日雙斯 皇子命乃 馬副而 御羯立師斯 時者来向
訓読 日並し皇子し尊の馬並(な)めに御猟(みかり)立たしし時は来向かふ
私訳 昔、ここで日並皇子の尊が馬を並び立てた、その御狩をなされた、あの時と同じ時刻がやって来たようです。
集歌51 采女乃 袖吹反 明日香風 京都乎遠見 無用尓布久
訓読 采女の袖吹きかへす明日香(あすか)風(かぜ)京都(みやこ)を遠み無用(いたづら)に吹く
私訳 采女の袖を吹き返す明日香からの風よ。古い明日香の宮はこの新しい藤原京から遠い。風が采女の袖を振って、心を過去に呼び戻すかのように無用に吹いている。
集歌53 藤原之 大宮都加倍 安礼衝哉 處女之友者 之吉召賀聞
訓読 藤原し大宮仕へ生(あ)れつぐや処女(おとめ)し友は扱(こ)き召(よば)ふかも
私訳 この藤原の宮城に仕えるために生まれてきたのでしょう、その家の子たる娘女たちは、お仕えするためにお召になるでしょう。
集歌54 巨勢山乃 列々椿 都良々々尓 見乍思奈 許湍乃春野乎
訓読 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ思(しの)はな巨勢の春野を
私訳 巨勢山に点々と連なる椿の緑の葉の木を、つくづくしっかり眺めながらその春の花の姿を想い浮かべましょう。巨勢の春の野に咲く椿を。
集歌55 朝毛吉 木人乏母 亦打山 行来跡見良武 樹人友師母
訓読 あさもよし紀人(きひと)乏(とも)しも亦打山(まつちやま)行き来(く)と見らむ紀人羨(とも)しも
私訳 朝も麻も美しい、その紀国の人は国の人との別れに思いが満ちたらなくても、この真土山を都への行きと還りに眺めるのでしょう、その緑豊かな紀国の人は羨ましいことです。
集歌49 日雙斯 皇子命乃 馬副而 御羯立師斯 時者来向
訓読 日並し皇子し尊の馬並(な)めに御猟(みかり)立たしし時は来向かふ
私訳 昔、ここで日並皇子の尊が馬を並び立てた、その御狩をなされた、あの時と同じ時刻がやって来たようです。
集歌51 采女乃 袖吹反 明日香風 京都乎遠見 無用尓布久
訓読 采女の袖吹きかへす明日香(あすか)風(かぜ)京都(みやこ)を遠み無用(いたづら)に吹く
私訳 采女の袖を吹き返す明日香からの風よ。古い明日香の宮はこの新しい藤原京から遠い。風が采女の袖を振って、心を過去に呼び戻すかのように無用に吹いている。
集歌53 藤原之 大宮都加倍 安礼衝哉 處女之友者 之吉召賀聞
訓読 藤原し大宮仕へ生(あ)れつぐや処女(おとめ)し友は扱(こ)き召(よば)ふかも
私訳 この藤原の宮城に仕えるために生まれてきたのでしょう、その家の子たる娘女たちは、お仕えするためにお召になるでしょう。
集歌54 巨勢山乃 列々椿 都良々々尓 見乍思奈 許湍乃春野乎
訓読 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ思(しの)はな巨勢の春野を
私訳 巨勢山に点々と連なる椿の緑の葉の木を、つくづくしっかり眺めながらその春の花の姿を想い浮かべましょう。巨勢の春の野に咲く椿を。
集歌55 朝毛吉 木人乏母 亦打山 行来跡見良武 樹人友師母
訓読 あさもよし紀人(きひと)乏(とも)しも亦打山(まつちやま)行き来(く)と見らむ紀人羨(とも)しも
私訳 朝も麻も美しい、その紀国の人は国の人との別れに思いが満ちたらなくても、この真土山を都への行きと還りに眺めるのでしょう、その緑豊かな紀国の人は羨ましいことです。